
この記事について
「採択通知が届いた。でも、ここから何をすればいいんだろう?」――持続化補助金(第18回)に採択された方が、最初にぶつかる疑問です。じつは採択=補助金の受取確定ではありません。採択後に「交付申請」という手続きがあり、その承認(交付決定通知書)を受け取って初めて事業に着手できます。この順番を間違えると、支払い済みの費用がすべて補助対象外になってしまいます。
本ガイドでは、採択後の流れを時系列で整理しました。まず取り組む見積書の準備、次に申請システムでの提出手順と差戻しへの対応、そして交付決定後に守るべき補助事業実施の7つの鉄則――経理の分け方、書類の名義統一、支払い方法のルールなど、実績報告で「対象外」と言われないためのポイントをまとめています。賃金引上げ特例・インボイス特例を申請した方向けの追加対応も扱っています。
公式の手引きは情報量が多く、読み解くだけでも時間がかかります。「まず全体像をつかんでから、手引きの該当箇所を確認したい」という方に向けて、このガイドを上から順に読めばやるべきことがひと通りわかる構成にしています。
補助事業者向け 交付申請・事業実施ガイド
これらの期限を1日でも過ぎると、補助金が受け取れなくなります。
採択=事業開始ではありません。必ず「交付決定通知書」を受け取ってから事業を開始してください。
全体の流れを把握する
採択通知から補助金受取まで、大きく4つのフェーズがあります。交付決定通知書を受け取るまで事業に着手できません。
採択後まずやること ― 見積書を準備する
補助金用の見積書には、以下の6項目すべてが記載されている必要があります。業者に見積書を依頼するとき、この項目を見せてチェックしてもらいましょう。
- ① 発行日(日付)
- ② 書類の名称(「見積書」と明記)
- ③ 宛名(補助事業者名)
- ④ 発行者(業者名・担当者)
- ⑤ 見積金額(税抜・消費税額・税込)
- ⑥ 取引内容・品名・数量(詳細は下記注記参照)
品名や数量が特定できない曖昧な書き方は、事務局から差し戻しの対象になります。
NG例:「印刷一式」「チラシ等」「広告他」「諸経費」
OK例:「チラシ印刷(A4両面・8,000部)」「チラシデザイン制作費(A4両面・カラー)」
複数項目が含まれる場合は、品目ごとに内訳を分けて記載してください。
| 項目 | ✅ OK | ❌ NG |
|---|---|---|
| 発行日・有効期限 | 発行日と有効期限の両方が明記されている | 有効期限の記載なし、または有効期限が提出時点で切れている |
| 宛名 | 株式会社○○商会 御中(申請時の事業者名と完全一致) | ○○商会 御中(「株式会社」が欠落)・別会社名・屋号と法人格が異なる |
| 金額・消費税の記載 | 税抜金額 150,000円 / 消費税(10%)15,000円 / 税込合計 165,000円 | 合計 165,000円のみ(消費税の内訳・税率の記載がない) |
| 品名の書き方 | チラシ印刷(A4両面・8,000部) チラシデザイン制作費(A4両面・カラー) |
チラシ印刷 一式、印刷等、広告他 |
| 書類名 | 見積書 | お見積もりご参考、参考価格表 |
(2社以上から取得)
(金額問わず)
見積書でOK
- 宛名は補助事業者名と完全一致していること。屋号のみ・法人格の違いはNG。
- 見積書はPDF形式でシステムにアップロードするため、データで受け取るかスキャンして保存する。
- 複数の経費がある場合は、経費ごとに見積書を用意する。
交付申請の手続き方法
申請システム(https://www.jizokuka-portal.info/)にログインして、見積書を提出します。
通常の提出フローへ進んでください。
→ Step 3-2 へ
修正対応が必要です。差戻し理由を確認してください。
→ Step 3-3 へ
メールを受信
差戻し理由を確認
または書類を追加
修正ファイルを添付
再送信
| 確認方法 | ポイント |
|---|---|
| システム内「通知文書」タブ | 交付決定通知書をダウンロードできます |
| 通知メール | 届いたらすぐにシステムへログインして確認してください |
補助事業を実施する ― 7つの鉄則
交付決定通知書を受け取ったら、いよいよ補助事業の実施です。以下の7つのルールを必ず守ってください。守らないと補助金が受け取れません。
補助事業の収支は通常事業と明確に区別して管理してください。専用の通帳・カードを用意し、補助事業に関する費用はその専用口座からのみ支払いましょう。
日常業務の経費と同じ口座・カードでまとめて支払うと、実績報告時に経費の分別が不明確とみなされ、補助対象外になる場合があります。
見積書・請求書・領収書の宛名(補助事業者名)と、銀行振込の振込先名義は、補助事業者として申請した名称と正確に一致している必要があります。
業者への発注・納品・完了確認の後、業者から請求書を受け取り、請求書に記載された振込先口座・金額どおりに銀行振込で支払ってください。
2027年2月26日(金)までに、すべての補助対象経費の支払い(銀行の出金日)を完了させてください。
チラシなど印刷した配布物は、補助事業期間中に配布し終わった分だけが補助対象です。期間終了後に在庫として残った部数は補助対象外となります。また、配布した事実を証明する根拠書類(配布先リストや配布完了報告など)の提出が必要です。
実績報告の際にすべての書類が必要です。今から整理して保管しておきましょう。
見積書・請求書の宛名(補助事業者名)と、銀行振込の振込先名義は、申請に使用した事業者名と一字一句正確に一致している必要があります。
| 書類・手続き | ❌ NG例(不一致) | ✅ OK例(一致) |
|---|---|---|
| 見積書の宛名 | 株式会社○○商会 御中 | 株式会社○○商会 御中 |
| 請求書の宛名 | ○○商会 御中 「株式会社」が欠落している |
株式会社○○商会 御中 見積書と完全一致 ✓ |
| 振込明細書の 振込人名義 |
○○商会 「株式会社」が省略されている |
株式会社○○商会 申請名称と完全一致 ✓ |
| 書類の種類 | 具体例 |
|---|---|
| 支払いの証拠 | 振込受領書またはネットバンクの振込完了画面(印刷・保存したもの) ※通帳コピーのみでは不可 |
| 取引の証拠 | 請求書、納品書、契約書、発注書 |
| 成果物の証拠 | 完成品の写真、Webサイトのスクリーンショット、チラシ現物 |
| 銀行通帳 | 補助事業専用口座の通帳コピー(補助事業に関する入出金が確認できるもの) |
賃金引上げ特例・インボイス特例の方への注意事項
下記の特例を申請した方は、追加の対応が必要です。
賃金を引き上げる
(賃金台帳等)
チェックシートを提出
引き上げたか?
補助率アップ維持
交付されない
賃金引上げの要件(確認ポイント)
- 補助事業の終了時点で、事業場内最低賃金が申請時より +50円以上(賃上げ加点は+30円以上)
- 申請時点・終了時点ともに地域別最低賃金以上であること
- 要件未達の場合、上乗せ分だけでなく補助金全額が交付されない
- 従業員が退職等で要件を満たせなくなった場合は、直ちに補助金事務局へ相談
- なお、従業員がいない事業者は本特例の対象外
事業者への転換
(T+13桁)
正しく発行する
登録番号の写しを提出
インボイス特例の注意点
| 確認事項 | ポイント |
|---|---|
| 登録番号 | 国税庁インボイスポータルで取得・確認(T+13桁) |
| 請求書の記載 | 登録番号・消費税額・適用税率の記載が必要 |
| 申告の変更 | 消費税の確定申告が必要になる(税理士への相談推奨) |
本資料は第18回公募の公式資料(補助事業の手引き・交付規程・FAQ・操作手引き)をもとに作成しています。最新情報は必ず公式資料をご確認ください。
補助金申請や交付申請の進め方でお困りですか?
申請準備、見積書の整え方、採択後の交付申請、実績報告の進め方まで、状況に応じてご相談いただけます。


