新事業進出・ものづくり補助金と省力化投資補助金(一般型)の違い どちらを選ぶべきか徹底比較

新事業進出・ものづくり補助金と省力化投資補助金(一般型)の違い|どちらを選ぶべきか徹底比較|株式会社樫乃屋
補助金・助成金

新事業進出・ものづくり補助金と省力化投資補助金(一般型)の違い
どちらを選ぶべきか徹底比較

2026年7月1日時点の公式情報にもとづく、中小企業向けの制度選びガイドです。

「設備投資に使える補助金」を探すと、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金省力化投資補助金(一般型)はよく似て見えます。しかし、審査で求められる説明と、向いている会社は大きく異なります。

ざっくり言えば、新しい製品・サービス・市場をつくるなら前者、人手不足の工程を設備やシステムで省力化するなら後者が有力です。この記事では、両制度を目的・補助額・対象経費・スケジュールなどの観点で並べ、「自社はどちらを選ぶべきか」を判断できるように整理します。

本記事は2026年7月1日時点で確認できる公式情報(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回公募、省力化投資補助金(一般型)第7回公募)をもとに作成しています。金額・要件・日程は改訂される場合があるため、申請前には必ず各制度の公式サイト・公募要領の最新版をご確認ください

この記事でわかること

  • 2つの補助金は、それぞれ何を後押しする制度なのか
  • 目的・補助額・補助率・対象経費・スケジュールの違い(早わかり比較表)
  • 「どちらを選ぶべきか」を判断するためのガイドとケース別の選び方
  • 併願・重複で気をつけること、よくある疑問

2つの補助金の概要

まずは、それぞれの制度が「何を後押しするものか」を押さえましょう。目的が違うため、同じ設備投資でも審査で語るべきストーリーが変わります。

新規事業・開発

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

2026年に開始された大型補助金で、①革新的新製品・サービス枠、②新事業進出枠、③グローバル枠の3つから、自社の計画に合う枠を1つ選びます。革新的な製品・サービス開発から新市場・新事業への進出、海外輸出体制の強化まで、幅広い挑戦を1つの制度でカバーします。

「何を新しく始めるのか」「どの市場に進むのか」「競合と比べて何が違うのか」を説明する制度です。

省力化・自動化

省力化投資補助金(一般型)

人手不足に悩む中小企業が、自社の現場に合わせた設備・システムを導入して業務を省力化するための補助金です。カタログ注文型よりも自由度が高く、ロボット・専用機械・システム構築などをオーダーメイドで計画できます。

「どの業務を、どの設備で、どれだけ省力化するのか」を数字で示す制度です。

早わかり比較表

主要な観点で2制度を左右に並べました。金額・日程は公募回により変わるため、必ず最新の公募要領で確認してください。

比較項目 新事業進出・ものづくり
商業サービス補助金
省力化投資補助金
(一般型)
主な目的革新的な新製品・サービス開発、新市場・新事業への進出、海外輸出体制の強化人手不足の解消、業務プロセスの省力化、労働生産性の向上
事業計画の中心新規性・革新性・市場性省力化効果・削減時間・人手不足への対応
補助上限額最大9,000万円
下限は枠により異なる(革新的枠100万円/新事業進出・グローバル枠750万円)。従業員数・賃上げ特例で変動
最大8,000万円
大幅賃上げ特例で最大1億円。従業員数で変動
補助率枠により1/2または2/3
原則 中小企業1/2。革新的新製品・サービス枠の小規模企業者・小規模事業者・再生事業者、グローバル枠、地域別最低賃金引上げ特例の適用時などは2/3
中小1/2・小規模事業者等2/3
最低賃金引上げ特例で2/3に引上げ
対象経費の中心機械装置・システム構築費(枠により建物費)。枠により広告宣伝・外注・専門家経費なども対象機械装置・システム構築費が中核。技術導入・外注・専門家・クラウド利用費など
設備投資要件革新的枠=機械装置・システム構築費が必須/新事業進出・グローバル枠=機械装置・システム構築費 又は 建物費のいずれかが必須機械装置・システム構築費が計画の中核
申請枠・類型3枠から1つ選択(①革新的新製品・サービス ②新事業進出 ③グローバル)カタログ注文型(最大1,500万円)と一般型のうち一般型(最大1億円)
申請方法電子申請のみ/GビズIDプライム必須/代理申請不可電子申請のみ/GビズIDプライム必須/代理申請不可
スケジュール第1回:受付 2026年8月31日〜
締切 9月30日(水) 18:00
第7回:受付 2026年7月1日〜
締切 7月31日(金) 17:00
向いているケース新製品開発・新市場進出・海外展開人手不足の省力化・工程効率化
ポイント:どちらも「単なる設備の入れ替え」では通りにくい制度です。前者は新規性・市場性、後者は省力化効果という、それぞれの物語を数字で語れるかどうかが分かれ目になります。

5つの違い

1. 目的の違い

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、「新しい価値を作る」制度です。新製品、新サービス、新市場、海外展開など、事業の広がりを説明します。省力化投資補助金(一般型)は、「人手不足をどう解決するか」を中心に考える制度です。既存業務のどこに人手がかかり、設備導入でどれだけ削減できるかを説明します。

2. 対象経費の違い

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、枠によって建物費や広告宣伝・販売促進費も検討でき、新しい事業を立ち上げるための投資全体を組み立てやすい制度です。省力化投資補助金(一般型)は、機械装置・システム構築費が中心で、投資の目的が省力化と直結しているかが重要になります。

3. 補助額・補助率の違い

補助上限額は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が最大9,000万円、省力化投資補助金(一般型)が最大8,000万円(大幅賃上げ特例で最大1億円)です。ただし実際の上限は、前者は「枠×従業員数×賃上げ特例」、後者は「従業員数×大幅賃上げ特例」で決まります。補助率はどちらも中小企業は原則1/2です。新事業進出・ものづくり側では、革新的新製品・サービス枠の小規模企業者・小規模事業者・再生事業者、グローバル枠、地域別最低賃金引上げ特例の適用時などに2/3となり、省力化側では小規模事業者等や最低賃金引上げ特例で2/3になります。金額の大きさだけで選ばず、自社の取り組みがどちらの目的に合うかを先に考えることが大切です。

4. 審査で見られるストーリーの違い

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、「新規性」「革新性」「市場の成長性」「競争優位性」が重視されます。省力化投資補助金(一般型)では、「人手不足の実態」「作業時間の削減」「導入設備の妥当性」「労働生産性向上の数値根拠」が重視されます。同じ設備でも、語る切り口がまったく異なります。

5. スケジュールの違い

2026年7月1日時点では、省力化投資補助金(一般型)第7回公募の締切が2026年7月31日(金)17:00と目前に迫っています。一方、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回公募は、受付が2026年8月31日から、締切が9月30日(水)18:00です。すぐ動くなら省力化、腰を据えて新事業計画を練るなら新事業進出、という時間軸の違いもあります。

どちらを選ぶべきか(判断ガイド)

迷ったら、「補助金で買いたい設備」ではなく「会社として達成したい目的」から順番に確認します。

Q1. 新しい製品・サービス・市場・海外展開が主な目的ですか?

はい → 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金を優先検討

Q2. 人手不足の工程を、設備やシステムで置き換えて省力化したいですか?

はい → 省力化投資補助金(一般型)を優先検討

Q3. 建物費や広告宣伝費も含めて、事業展開全体を組み立てたいですか?

はい → 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のほうが組み立てやすい

結論の考え方:新分野への進出・新製品開発」なら新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、「人手不足の省力化・工程効率化」なら省力化投資補助金(一般型)が基本の選び方です。どちらの要素も強い場合は、事業計画の主軸をどちらに置くかで判断します。

ケース別の選び方

やりたいこと優先して検討する補助金
これまでにない新製品・新サービスを開発したい新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(①革新的新製品・サービス枠)
既存事業とは違う市場・顧客層へ本格的に進出したい新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(②新事業進出枠)
自社製品の海外輸出に向けて国内体制を強化したい新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(③グローバル枠)
検品・搬送・包装などの工程を自動化・省人化したい省力化投資補助金(一般型)
受発注・予約・集計などをシステム化して作業時間を削減したい省力化投資補助金(一般型)

製造業が検品工程を自動化したい

検品に人手がかかり、処理件数や残業が課題なら、省力化投資補助金(一般型)が合いやすいケースです。導入前後の作業時間、検品件数、不良率、残業時間の変化を数値で示します。

飲食店がセントラルキッチンを作り、新しい冷凍食品事業を始めたい

新商品開発、新しい販路、設備投資、広告宣伝まで含むなら、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が合いやすいケースです。既存店舗の効率化だけでなく、新事業としての市場性を説明します。

旅館が予約・清掃・在庫管理を一体化して人手不足を解消したい

業務システムや機器導入で、フロント・清掃・在庫管理の作業時間を減らす計画なら、省力化投資補助金(一般型)が候補になります。どの作業が何時間減るかを具体化しましょう。

部品メーカーが海外向け製品の生産体制を整えたい

海外市場への展開が主目的なら、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のグローバル枠を検討します。輸出計画、対象国、販売先、海外ニーズ、国内生産体制の強化を説明します。

併願・重複で気をつけること

「両方に申請できるのか」「過去に補助金を受けていても大丈夫か」は、多くの経営者が気にする点です。結論は各制度の公募要領で個別に定められており、この記事で一律に断定はできません。

  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、過去の類似補助金(事業再構築・新事業進出・ものづくり等)の受給状況によって、申請できない・減点される場合があります。
  • 同一の設備・経費を複数の補助金で重複して受け取ることは、一般に認められません。
  • 同時併願の可否や、事業年度・交付決定のタイミングによる制限は、制度ごとに条件が異なります。
実務のすすめ:併願や過去受給が絡む場合は、自己判断せず、両制度の最新の公募要領で重複制限・申請要件を確認したうえで、必要に応じて専門家に相談してください。

よくあるご質問

Q. 2つの補助金は同時に併願できますか?

A. 併願の可否や過去の受給歴による制限は、各制度の公募要領で個別に定められています。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、過去の類似補助金の受給状況によって申請できない・減点される場合があります。同時併願や重複を検討する際は、必ず両制度の最新の公募要領で対象要件・重複制限をご確認ください

Q. どちらも設備投資は必須ですか?

A. どちらも設備投資が計画の柱です。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では革新的新製品・サービス枠=機械装置・システム構築費が必須、新事業進出枠・グローバル枠=機械装置・システム構築費 又は 建物費のいずれかが必須です。省力化投資補助金(一般型)では機械装置・システム構築費が計画の中核になります。ただし求められる投資の狙いが異なり、前者は新規性・市場性、後者は省力化効果が問われます。

Q. 補助額が大きいのはどちらですか?

A. 補助上限額は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が最大9,000万円、省力化投資補助金(一般型)が最大8,000万円(大幅賃上げ特例で最大1億円)です。ただし実際の上限は枠・従業員数・賃上げ特例の適用で変わり、補助率も異なります。金額だけでなく、自社の取り組みがどちらの制度の目的に合うかで選ぶことが大切です。

Q. 迷ったときは何を基準に選べばよいですか?

A. 「補助金で買いたい設備」ではなく「会社として達成したい目的」から選びます。新しい製品・サービス・市場をつくるなら新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、人手不足の工程を省力化して生産性を高めるなら省力化投資補助金(一般型)が基本の考え方です。判断に迷う場合は、両制度の公募要領を確認したうえで専門家に相談すると整理しやすくなります。

まとめ

  • 2つの制度はどちらも設備投資に使える可能性があるが、審査で求められる説明が異なる
  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金=新製品・新サービス・新市場をつくる制度(最大9,000万円・下限は枠により100万円/750万円・3枠・締切9/30 18:00)
  • 省力化投資補助金(一般型)=人手不足の工程を省力化する制度(最大8,000万円/特例で1億円・締切7/31 17:00)
  • 選ぶ出発点は「買いたい設備」ではなく「会社として達成したい目的」——新規事業か、省力化か
  • 併願・過去受給が絡むときは、自己判断せず各公募要領で重複制限を確認

「自社はどちらを選ぶべきか」から一緒に整理します

「新事業と省力化、どちらの制度が合う?」「両方の要素があるが主軸をどう置く?」「過去に補助金を受けたが申請できる?」——こうしたご相談に、対象要件の確認から制度選び、事業計画づくり、経費計画、採択後の報告まで、初回のご相談は無料で伴走いたします。

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※本記事は2026年7月1日時点で確認できる公式情報に基づく解説です。金額・要件・日程・対象経費は改訂される場合があるため、実際の申請前には必ず各制度の最新の公募要領および公式サイト(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公式サイト中小企業省力化投資補助金 公式サイト省力化投資補助金(一般型)公式ページ)をご確認ください。本記事は制度理解を目的とするもので、補助金の採択・支給を保証するものではありません。